会社勤務では、その会社の規定に従うのは当然。それが嫌で個人事業主・フリーランスになった人も多いと思います。私もそうですが。

しかし、個人事業だから何をやっていいというものではなく、特に何らかのコミュニティや組織に属すると、必ず決まりやルールがあるはずです。

それを知らずに過ごしていると、ある日突然指摘を受けて退会せざるを得なくなるという事態になりかねません。

 

一般社団法人の定款と規約

協会ビジネスが全盛ということもあり、一般社団法人●●協会という団体が非常に多く存在しています。

会員として入会するのは、それほど敷居が高くないことが大半です。むしろ、どこの協会も会員集めに必死なので、ウェルカムな気持ちで歓迎してくれるに違いありません。

 

しかし、定款や規約の確認は、入会前に自ら行いましょう。

 

一般社団法人における「正会員」というのは、実は「社員」に相当する場合もあります。

どの会員が法律上の社員に相当するのかは、「定款」において、会員の定義をすることで明確にしてあるはずですので、気軽に「正会員」になってしまわず、定款や規約をよく確認して入会することが大事です。

 

「定款」とは、一般社団法人を設立・運営する際になくてはならないもので、内容を変更する場合には社員総会による特別決議を経る必要がある、とても厳格なものです。

一方、「規約」というのは、一般社団法人と会員の間に存在する決まりごとです。

 

入会申込手続きをして、返送された書類に入っていなくても、定款や規約は存在していますし、有効です。

「もらってないから知らない」では、自分の身を守ることはできません。きちんと請求して自分の目で確認をしましょう。

 

一般社団法人の名称変更などで規約が変わった場合

施行日の記載しかなく、規約変更前からの会員への適用について記載がない場合どうなるのか、という疑問がわくと思います。

これについて、法律の専門家によると、「以前からの会員が新たに入会したこととみなされるようにするとなっているならば、入会の申込を受けたと適用の余地がある」とのこと。

つまり、名称変更して、規約が知らない間に変わったとしても、それは自らに適用される場合があるということです。

 

競業禁止の規定とは?

競業を禁止する場合、それに見合う手当(金銭)が提供されているかどうかなどが判断に関わってきます。

ですので、団体から仕事をもらうなどした場合、よく注意しなくてはならないと思います。

 

あなたの所属団体の規約は大丈夫ですか?

規約が手元にない場合は、すぐに問い合わせて確認をしましょう。

これは、その団体の良い・悪いを確認するのではありません。

所属している団体が、自分の目的に沿っているかどうかを確認することなのです。

 

たとえば、これ。

(禁止行為)

会員は、無断で協会の名称及び会員名簿等、またその活動主旨・活動内容を利用して、個人や他の特定団体の利益等を目的とした宣伝活動や営業活動を行ってはならない。また、反社会的な行為、及び協会の主旨に反する行為等を行ってはならない。

 

「個人」の利益などを目的とした宣伝や営業活動をすることを「無断」で行ってはならないとあります。

その直前に、「名称及び会員名簿等、またその活動主旨・活動内容を利用して」「協会の主旨に反する行為等を行ってはならない」とありますから、どういったことを、どこまでやっていいのか、何をしたらアウトなのかをよく確認する必要があります。

 

私の知る事例では、「協会のノウハウや人脈を利用して、他の競合コミュニティを設立した」とみなされ、問題になっている事案があります。もちろん当事者の元会員にとってはまったく心外なことです。

 

これも、当事者が、この規約の存在と、この禁止行為の意味を理解していれば防げたことだったのでしょう。

 

協会の規約に違反した、会員の人道に問題がある。

そんな話ではなかったのです。

 

規約を知らなかったゆえ、起きてしまった非常に残念なお話です。

 

ですから、皆さんも「規約」というものをもっとしっかり確認するようにしてください。

そして、大きな組織変更がある際は、自分の権利を守るためにも、しっかり確認を行ってください。

せっかく入会したコミュニティも、目的に沿ったものでなければ、双方不幸になります。

 

コミュニティを作る方も、理念をもって設立しているはず。

その理念を誤解して、よくわからないまま入会してしまい、「こんなはずじゃなかった」と文句のいうのは情けないこと。

 

自分の所属している組織・コミュニティ・協会は

何を目的をしているのか?

何をしようとしているのか?

自分の目的は達成できるのか?

やって良いこと悪いことは何なのか?

 

何度も言いますが、自分でしっかり確認するようにしてください。

個人事業主・フリーランスはすべてが自己責任なのですから。