「WordPressで作ったホームページを直して欲しい」という依頼が急増しています。原因不明の表示崩れから、業者に頼んだけど出来が悪くて、というものまで、ホームページの修正・改善依頼内容は様々です。
少し前から気になってはいましたが、WordPressは、だんだん素人レベルでは扱いきれないものになりつつあるように感じています。
インターネットで検索して「ググれば」、WordPressのインストール方法からカスタマイズまで、あらゆる情報が出てきます。
しかし、それらは果たして正しい情報でしょうか?それらを信じてカスタマイズを行った結果、失敗したという話も聞きます。
また、公式でないWordPressテーマ(野良テーマ)の使用や、自己流のWordPressインストール(オレオレインストール)によって、セキュリティ上の問題にさらされているWordPressサイトが、インターネット上に氾濫しているという報告もあります。
WordPressのメリット
- ブログ付きのホームページが作成できる
- 公式テーマ(テンプレート)の使用で、デザインされたWordPressサイトを短時間で実現できる
- プラグイン(追加機能)の使用で、高機能なWordPressサイトを作成できる
WordPressのデメリット
- ハッキングの被害に遭いやすい
- こまめなメンテナンスが必要
- カスタマイズされたWordPressサイトは、他業者では扱うことが難しい
WordPressの特徴として、プログラムにより便利にホームページを使うことができるというメリットがありますが、同時に、プログラムの脆弱性(セキュリティ的に弱い部分)を突かれてサイバー攻撃の被害にあう危険もあります。
それを回避するため、WordPressは随時「更新」を行い、ユーザーにアップデートを促すため、ダッシュボードに赤い丸印を表示するわけですが、これをきちんと実施できていないユーザーは少なくなく、その結果ハッキングの被害にあった事例もあります。
また、WordPress本体のアップデートを実施しても、WordPressテーマやプラグインのアップデートがこれに追いついていないことから、ホームページの表示が崩れたり、機能しなくなったりという事例が相次いで発生しています。
そこで困って、修正依頼を私宛に問い合わせいただいているわけですが、あいにく他人の書いたコードを修正するには、まずは調査に多くの時間と労力が必要とします。
結果、高いコストの見積もりとなり、せっかくのWordPressサイトもうまく活用できないという残念な結果になってしまうわけです。
WordPressは、フリーのプログラムです。自由に使えますが、トラブルが起きても自己責任で解決しなくてはなりません。
個人で使うにはいいですが、お客様に納品する品としては、セキュリティ上の保証やサポートを十分にいたしかねると感じています。
ですので、WordPressのホームページを依頼したい場合は、異常が起きた場合にすぐ対応できるプログラマーのいる制作会社か、WordPressのイベントにもよく出席し、よく熟知されている制作者さんを選定することをお勧めします。
いちいち検索しないとカスタマイズできないレベルでは、仕事としてWordPressサイトを提供するのは、今後難しいでしょう。
しかし、それでもどうしても、WordPressを使いたいなら、WordPress.com がおすすめ。こちらは、クラウドサービスですので、サーバーやプログラムのメンテナンスはまったく不要。管理やサポートはAutomatic社がしてくれています。
ですので、私も今、このブログを勉強用に残して、他をWixやWordPress.comに移行し始めています。
WordPressは便利ですが、同時に危険性もはらんでいます。プログラムは常に最新に、プラグインは必要最低限に(多すぎると不具合の原因になります)。放置は厳禁と考え、難しいようなら簡素化できるクラウドサービスの利用(WixやWordPress.com)も検討しましょう。