お母さん、「親権者同意書」署名しちゃダメ!!!脱毛サロン・エステサロン 未成年でも契約取り消しできなくなる怖い事例

とある脱毛サロンが初回カウンセリングで未成年者に持参させる「親権者同意書」

ある日娘から、「脱毛サロンにカウンセリング行く」と聞きました。どうやらお友達が予約したよう。興味のあるお年頃です。ところが、「これ書いて」と見せられた書類にびっくり。

「親権者同意書」と書かれたその書類は、未成年である娘がサロンと行う契約行為をあらかじめ同意しますというものでした。

結論から言いますが、決して署名してはいけません。これに同意すると、民法5条1項、2項の「未成年者の法律行為の取り消し」ができなくなります。

未成年者を保護の意味も含め、よく理解もせず行ってしまった契約を取り消せる法律が民法にはあります。

しかし、この親権者同意書に署名をすると、意味もわからず100万円の脱毛コースを契約させられたとしても「あらかじめ同意」しているため、取り消しができなくなるということです。

親権者同意書の内容

平素は格別のご愛顧を賜り誠にありがとうございます。
弊社では未成年のお客様(以下「未成年者」)といいます。)が親権者様のご同席なくカウンセリング及びエステティックサービスを受けられる場合、本承諾書にて親権者様のご承諾を頂いております。
尚、当該契約時に親権者様のご同席が難しい場合、本同意書にご署名・ご捺印 の上、未成年者様へお渡し下さいますようよろしくお願い申し上げます。
また、できる限り親権者様にはカウンセリング時にご同席いただけますようお願い申し上げます 。

店舗に電話をしてみました。スタッフいわく、「未成年者の場合、万が一何かあるといけないので、脱毛サロンにカウンセリングに来ることを同意してもらっています」とのこと。で、その同意内容を見てみると、

私(法定代理人親権者)は、上記の未成年者(契約者)の親権者として、未成年者(契約者)が貴社とエステティックサービスに関する契約及びそれに付随する個別契約並びに商品購入に関する契約の締結をすることについてあらかじめ同意致します。

「カウンセリングに来ること」ではなく、「契約の締結をすることについてあらかじめ同意」と書かれています。

読んで指摘したところ、「当日契約だと割引もあるので、未成年者だけで契約できるように…」との回答。

そうじゃないでしょう。

「契約を取り消しされないため」の同意書であるとしか思えません。

弁護士3人いるようですが、ロクなこと教えてません。

「1度帰ってしっかりご家族と相談して、またおいでください」それくらいの接客して欲しいものです。

なお、いわゆる「クーリングオフ」は全ての契約には適用されるわけではなく、5万円を超えて、契約期間が1カ月を超えるもの、期限の定めがない場合に限るようです。

また、2022年4月1日から成年年齢は18歳です。

対策方法

脱毛サロン・エステサロンの契約は、金額がはっきりしてから同意をするかどうか決めましょう。

当たり前ですよね!!!

と考えると、上記のような親権者同意書がおかしいことはわかると思います。

しかし現実には、署名してしまう人が多いんです。

「変だと思ったけど、文章が難しくてよくわからない」
「子どもが要るっていうから書いた」

変だと思ったら書いちゃダメ!!!!!!!
言われるがまま書いちゃダメ!!!!!!!

身近な法律をもっと知りましょう

「なんでそんなに詳しいんですか?」とよく聞かれます。

私が事業で行っているホームページ制作も、脱毛サロン・エステサロンと同じく「高額」で「トラブルの多い」業種で、駆け込み寺のごとく、他社で起きたトラブルの相談をお客様から受けることがあります。

そのため、弁護士さんや弁理士さんに相談したり、私自身もかつて法律を少し勉強していたため、民法や著作権法などにも触れる機会が大変多かったりで、自然と覚えていったように思います。

今回の同意書の意味を娘に説明したところ、「そんなん学校で教えてくれなあかんわ」。ようそんなこと言うわと思いましたが、一理あります。

大事な権利と財産を守る術として、せめて

意味のわからない書類に署名をしない!!!!

まずはここから初めてもらえたらと思います。